牛首紬の特長は、座繰りで手挽きした空気を多く含んだ柔らかな糸、丁寧に織り上げる打ち込みのしっかりした張りのある地風、そこから生まれる弾力性及び伸張性によるシワに対する抵抗力、玉繭独特の小節が浮き立つ表面の美しさ、優れた保温、吸湿、通気性、軽くてなじみよい着やすさ、等があげられます。 玉繭から引き出された太くて節のある玉糸で織りあげられており、ネップが多く、白生地で見るよりも、染めたときに野趣に富んだ優雅さと、民芸の素朴さが一層浮かびあがってくる。耐久性があり、釘に引っかけても破れないくらい丈夫なことから“釘抜き紬”ともいわれている。染め替えが幾度もきき、純然たる自家生産の天然絹糸を原料とし、単糸を用いた手織り紬は、他に例を見ない特色である。